本研究ではタンパク質をゆでながら巻き戻す高温リフォールディング技術の開発に取り組んだ。正しい立体構造の回復に依存して緑色蛍光を発するsfGFP-2SSを作成した。これを還元的に変性させた後,酸化剤により誤った架橋を形成させると蛍光は失われた。これを基質として高温条件での巻き戻しを実現するために耐熱性PDIにより,高温リフォールディング技術PTR法を確立した。PTRとは,高温と低温の温度サイクルにより変性タンパク質を正しい構造へと導くタンパク質のPCRである。病因分子を認識する抗体が医薬品として利用されており,複数のジスルフィド架橋を正しく導入する方法として展開が見込まれる。
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