ポリマー膜への細菌の取込みを光制御する「光誘導型細菌トラップ法」の原理を開拓し、悪性細菌の除菌法の開発による食品衛生への貢献や、有用細菌を高密度捕捉した機能性高分子膜の製造技術開発を目的として研究を遂行した。主な結果を以下に述べる。(1)平坦な光吸収性薄膜にレーザー照射により細菌を集積することで液中細菌数計測を数分程度で可能とし、悪性細菌を死滅できる条件も明らかにした。(2)ハニカム状のマイクロ細孔に細菌を高生存率(90%以上)で光誘導してトラップできる条件を解明し、電流発生菌に適用した場合に、従来法よりも3~4倍迅速に最高電流値が得られることを確認し、電気化学デバイスへの応用可能性を示した。
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