深海は超高圧にさらされた極限環境で、栄養源も乏しく窒素源の確保は生死を分ける。分解された生物の死骸はアミノ酸よりもペプチドとして存在するかもしれない。本研究では深海性細菌のペプチド輸送体に着目し、極限環境における機能の解明を目的とした。ゲノム情報からペプチド輸送体遺伝子群を見いだし、大腸菌内発現系の構築に成功した。次にクロマトグラフィーを行い、輸送体標品を得た。これを用いて膜再構成系の構築を目指す。また、β-Ala-Lys (AMCA)を基質とし、大腸菌に発現させた輸送体の活性を測定した。CCCPで阻害されたことから、プロトンとの共輸送によりペプチドを取り込んでいる可能性が示唆された。
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