泡盛の香味成分であるバニリンは、原料米のフェルラ酸がフェノール酸脱炭酸酵素により4-ビニルグアヤコール (4-VG)へ変換された後、バニリンへ変化する。熟成3年後の泡盛古酒は、このバニリン濃度の高さを特徴とする。本研究では、香り高い(バニリン香)泡盛の製造法を提案した。泡盛は黒麹菌及び泡盛酵母の協働により発酵が進行する。本研究では、この芳香に関与する酵素(padC)を黒麹菌に見いだし、その機能を評価し、本酵素の潜在性を引き出すことで、バニリン香が強化された泡盛の製造が実現可能な研究を行い、通常よりも短期間に古酒の特性の付加を可能にし、熟成の効率化を導く提案を行った。
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