研究課題/領域番号 |
15K14704
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研究機関 | 一般財団法人電力中央研究所 |
研究代表者 |
平野 伸一 一般財団法人電力中央研究所, 環境科学研究所, 主任研究員 (20392748)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 腐食 / 二酸化炭素 / 酢酸生産 / 電子供与体 |
研究実績の概要 |
金属腐食微生物の中には固体金属から電子を獲得し、CO2を炭素源として利用する微生物が存在する。そのCO2変換能を活用した革新的CO2変換システムの構築に向けて、本年度はまず金属腐食性酢酸生産菌を環境試料から単離すること、ならびに既報の酢酸菌から金属腐食能を有する種を選抜し、その生産速度を評価することを試みた。その結果、下記の成果を得た。 1. 湖沼底泥試料由来の腐食微生物群集より、固体金属を電子源、CO2を炭素源として酢酸を生成する新種の金属腐食性酢酸生産菌を単離した。さらに、得られた微生物の詳細な特性解析を実施し、酢酸生産能を明らかにした。 2. 既存の代表的な酢酸菌および類縁菌種6株での固体金属の電子供与体としての利用可能性を検討すると共に、酢酸生成速度の評価を行った結果、鉄を電子源、CO2を炭素源として酢酸やエタノールを効率的に生産可能な菌種を1株見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、固体鉄を電子供与体として生育することができる腐食性酢酸生産菌の単離に成功するとともに、これまで知られていなかった既存の酢酸菌における腐食能を評価することで、鉄を電子供与体とした酢酸生産に適した菌株を見出すことに成功した。よって、順調に進展していると区分した。
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今後の研究の推進方策 |
H27年度に絞り込まれた腐食微生物を対象として、遺伝子組換え、もしくは複数種の微生物混合による二酸化炭素からの有用物質(バイオ燃料)生産系の構築へ向けて研究を推進する。
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