ポリアミン分解とストレス応答との関連性については解析がなされてこなかった。本研究では、シロイヌナズナに5つ存在するポリアミン酸化酵素遺伝子の機能欠失変異体を用いて塩ストレス応答を調べた。単一遺伝子欠失変異体は、野生型と同程度の感受性を示した。次に、二重欠失変異体を調べたところ細胞質局在型酵素の欠失変異体が塩ストレスに耐性となることを見出した。この変異体では、野生型に比べ塩処理による活性酸素種の産生が抑制されていた、しかし一方、防御遺伝子群の発現は亢進されていた。 本研究成果は、ストレス耐性植物を作出する新たな戦略を提示したと言える。
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