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2017 年度 実施状況報告書

野生漢方薬原料植物カラスビシャクの迅速作物化の為の有効多糖成分合成遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 15K14711
研究機関九州大学

研究代表者

松岡 健  九州大学, 農学研究院, 教授 (40222294)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードゲノム / RNAseq / 生薬原料 / アラバン / ガラクトース転移酵素
研究実績の概要

昨年度獲得したRNAseqデータを分析するために必須である、坑アラバンモノクローナル抗体を用いたELISA法による器官別のアラバン定量データの獲得を進めた。しかしながら、葉および葉柄由来の抽出液中ににELISAを阻害する活性が存在したため、ELISA法による定量が出来なかった。そこで、透析、塩析、有機溶媒沈殿等の前処理により、阻害活性の除去を試みたが、結果の改善は認められなかった。そのため、抽出材料としている凍結乾燥後の組織粉末を、有機溶媒で処理することにより、阻害活性の除去を試みたが、この方法によっても阻害活性を除くことが出来なかった。そこで、阻害物質とアラバンを簡便に分離する可能性のある方法を検討したところ、電気泳動により分離し、それをブロッティングにより膜に転写し、次いで抗体と反応させることでアラバンの定量が可能であることを見いだした。現在、この方法を用いてアラバンの定量を進めている。
上記のアラバン定量の実験と平行して、昨年度獲得したアラバンの主鎖の形成に関わる可能性があるアラビノース転移酵素と同様な方法で、アラバンの枝分かれした側鎖の合成に関わる可能性のある酵素の一つの可能性があるガラクトース転移酵素についての探索を進めた。すなわち、アラビノース転移酵素と同様にRNAseqデータのアセンブルの結果得られた配列と、異種植物のガラクトース転移酵素タンパク質の配列情報を用いて、カラスビシャクのガラクトース転移酵素cDNAの獲得を進めた。その結果、630程度のアミノ酸残基からなるガラクトース転移酵素オルソログのcDNAの獲得に至った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ELISAによる組織別のアラバン定量が、抽出液中のELISA阻害活性により実行できなかった。そこでこれを回避する方法の開発を進め、最終的に電気泳動による分離を用いることで定量が可能となったが、この方法の開発に時間を要したため、RNAseqのデータを用いた、候補遺伝子産物の絞り込み作業に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

電気泳動による分離を経たアラバン定量系を用いて定量結果を早急に確定し、次いでこの情報を用いてアラバン合成候補遺伝子の絞り込みを進めるとともに、その結果の学会発表を年度内に行う。

次年度使用額が生じた理由

平成29年度迄に、組織別アラバン定量をELISA法を用いて試みていたが、葉および葉柄の抽出物中に見いだされたELISA反応の阻害活性を、抽出液や凍結組織の前処理により除去することが出来なかった。そこで、その活性を簡便に除去できる方法の探索を進めたが、年度末近くになってようやく電気泳動を用いて分離が可能である可能性を示す結果を得た。このため、RNAseq情報からのアラバン合成候補遺伝子の絞り込み作業の開始に遅れが生じた。
平成30年度には、早急に組織別アラバンの定量を行い、このデータを利用してRNAseq情報からのアラバン合成候補遺伝子の絞り込みを進めると共に、年度内に、その結果についての学会発表を行う予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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