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2016 年度 実績報告書

昆虫前胸腺刺激ホルモンレセプターによるリガンド認識の分子基盤の構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K14720
研究機関姫路獨協大学

研究代表者

齋藤 一樹  姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (10192585)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード前胸腺刺激ホルモン(PTTH) / Torso / チロシンキナーゼ型レセプター / ジスルフィド架橋によるレセプター二量化 / カイコガ / 自己リン酸化 / 下流ERKリン酸化の促進
研究実績の概要

昆虫の脱皮・変態を制御する神経ペプチド「前胸腺刺激ホルモン(Prothoracicotropic Hormone; PTTH)」の細胞膜上のレセプターはTorsoと呼ばれるチロシンキナーゼ型レセプターである。PTTHの標的昆虫種特異性は非常に高いため、レセプターTorsoはリガンドPTTHの分子構造を非常に厳格に認識していると考えられるが、その分子認識機序はまったく明らかにされていない。
昨年度は、リガンド刺激を受ける前からカイコガのレセプターTorsoが細胞膜上で二量化しており、その二量化は、膜貫通領域に存在するCys残基の間に形成されているジスルフィド架橋によるものであることを明らかにした。この分子間ジスルフィド架橋を消失させると細胞外領域の構造が変化し正常なリガンド応答が起こらないことから、このジスルフィド結合は厳密なリガンド認識に深く関わっていると考えられた。
そこで、本年度は、カイコガのレセプターTorsoが同じ種のリガンド・カイコガPTTHを認識するが他種のリガンド・ヨトウガPTTHには応答しないという昆虫種特異性の機序を明らかにするために、カイコガPTTHおよびヨトウガPTTHの大量調製法の確立に専念し、それらのキメラ・リガンドなども作製できるよう試みた。組換体を調製する過程で、ヨトウガPTTHは、カイコガPTTHと同じ様式のフォールディングを取っていると思われるにもかかわらず、非常に性質が悪くカイコガPTTHで確立した調製法をかなり改良しなければならないことが明らかになった。年度の途中で私が研究機関を異動しなければならなくなったため、PTTH調製法の改良が進まなかったが、最終年度の末にはやっとヨトウガPTTHの調製法も確立することができた。今後は、確立した手法を用いて、いろいろなPTTHアナログを作製し活性を確認するとともに、安定同位体標識アナログを調製してTorsoとの相互作用残基や特異性決定残基を同定して行く予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 活性型ヨトウガリコンビナントPTTHの調製2017

    • 著者名/発表者名
      山下雄佑, 此上祥史, 荻原麻理, 齋藤一樹, 片岡宏誌
    • 学会等名
      平成29年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会(日本蚕糸学会第87回大会)
    • 発表場所
      農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター(茨城県つくば市)
    • 年月日
      2017-03-22
  • [学会発表] Torso, an insect prothoracicotropic hormone receptor, possessing a very unique dimeric structure as a receptor tyrosine kinase.2016

    • 著者名/発表者名
      Tadafumi Konogami, Hiroshi Kataoka, Kazuki Saito
    • 学会等名
      The 16th Akabori Conference: Japanese-German Symposium on Peptide Science
    • 発表場所
      六甲山ホテル(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2016-05-25
    • 国際学会
  • [備考] 研究業績(齋藤一樹)|姫路獨協大・薬・医療薬学・生物分析化学研究室

    • URL

      http://www.himeji-du.ac.jp/faculty/dp_pharm/pharm/bioanalysis/achievements/publications_saito.html

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公開日: 2018-01-16  

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