昆虫前胸腺刺激ホルモンPTTHのレセプターTorsoは、チロシンキナーゼ型レセプターである。本研究では、カイコガTorsoが、リガンド刺激の有無にかかわらず、膜貫通領域にある分子間ジスルフィド結合を介して二量化していることを見出した。膜貫通領域に存在するすべてのシステイン残基をフェニルアラニンに置換すると、Torsoは、リガンド刺激に関係なく細胞膜上で会合して二量体を形成し自己リン酸化を引き起こすが、下流のERKのリン酸化を誘導することはできないことがわかった。今後、PTTHによるTorsoの活性化機序を解明するためには、レセプター機能の維持に必須のこの分子間結合の役割を無視できないだろう。
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