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2015 年度 実施状況報告書

抗生物質ストレプトスリシン類縁化合物の新規生合成酵素に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K14724
研究機関福井県立大学

研究代表者

濱野 吉十  福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (50372834)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード生合成 / 二次代謝産物 / ペプチド
研究実績の概要

我々は、抗生物質ストレプトスリシン(ST)の部分化学構造であるβリジン側鎖が非リボソームペプチド合成酵素(NRPS)によって生合成されることを明らかにしている(Nature Chem. Biol, 8, 791-797, 2012)。他方、ST類縁抗生物質であるBD-12は、βリジン側鎖の代わりにグリシン類縁体側鎖を有するが、その生合成はNRPSではなく新規ペプチド合成酵素によって合成されることが強く示唆された。そこで、本研究では、BD-12の生合成メカニズムを解明するとともに、さらに、その他微生物ゲノムに存在するST類縁化合物の生合成遺伝子群を同定し、これらを利用したコンビナトリアル生合成で新規ST類縁化合物の創製を目指している。
平成27年度は、研究項目Aとして「BD-12生合成遺伝子群の機能解析」を行った。BD-12生産菌S. luteocolor NBRC13826のドラフトゲノム解析の結果からBD-12生合成遺伝子群(34 kbp)を同定し、発現ベクターへ連結し、異種放線菌に導入した。導入株を培養し、培養液をLCMSで分析したところ、BD-12を検出したことから、本遺伝子群がBD-12生合成遺伝子群であることを明らかにした。さらに、FemXA様酵素をコードするorf11遺伝子が、グリシン類縁体側鎖の生合成に関与するペプチド合成酵素遺伝子であることを見出した(C. Maruyama et al., Appl. Environ. Microbiol., in press.)。さらに、BD-12の生合成において2つのN-メチル基を導入するメチル基転移酵素遺伝子を同定した。研究項目B「微生物ゲノム情報を利用とした新規ST類縁化合物の探索と生合成遺伝子群の機能解析」では、ある種の放線菌において、新規ST類縁化合物生合成遺伝子群の存在を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究項目Aにて当初から計画していたBD-12生合成遺伝子の同定と機能解析については順調に進展し、学会発表および論文発表(C. Maruyama et al., Appl. Environ. Microbiol., in press.)にて報告してる。また、BD-12生合成遺伝子群に見出したメチル基転移酵素遺伝子の同定および機能解析も順調に進展している。研究項目Bにおいても、微生物ゲノム情報を利用した新規ST類縁化合物の探索と生合成遺伝子群の機能解析を展開し、新規ST類縁化合物生合成遺伝子群の存在を確認している。以上の結果から、当初の計画通り本研究が進展していると言える。

今後の研究の推進方策

現在のところ、研究項目AとBは研究計画通りに進展していることから、このまま継続的に研究を進める。また、当初の計画通り、平成28年度からは、研究項目C「コンビナトリアル生合成による新規ST類縁化合物の創製」を開始する。

次年度使用額が生じた理由

次年度繰越金が生じたが、少額(¥36,652)であるため、当初計画した通り予算の執行していると言える。

次年度使用額の使用計画

当初の計画通り、予算を執行する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] tRNA-dependent aminoacylation of an amino-sugar intermediate in the biosynthesis of a streptothricin-related antibiotic2016

    • 著者名/発表者名
      Chitose Maruyama, Haruka Niikura, Miho Izumikawa, Junko Hashimoto, Kazuo Shin-ya, Mamoru Komatsu, Haruo Ikeda, Makoto Kuroda, Tsuyoshi Sekizuka, Jun Ishikawa, Yoshimitsu Hamano
    • 雑誌名

      Appl. Environ. Microbiol.

      巻: 82 ページ: 3640-3648

    • DOI

      10.1128/AEM.00725-16

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] BD-12生合成におけるN-formimidoyl基転移酵素の酵素学的諸性質2016

    • 著者名/発表者名
      新倉春香,丸山千登勢,泉川美穂,新家一男,濱野吉十
    • 学会等名
      日本農芸化学会2016年度大会
    • 発表場所
      札幌市コンベンションセンター(北海道、札幌市)
    • 年月日
      2016-03-27 – 2016-03-30
  • [学会発表] 抗生物質BD-12生合成遺伝子の機能解析2015

    • 著者名/発表者名
      新倉春香, 丸山千登勢, 泉川美穂, 石川淳, 池田治生, 新家一男, 濱野吉十
    • 学会等名
      2015年度日本生物工学会大会
    • 発表場所
      城山観光ホテル(鹿児島県、鹿児島市)
    • 年月日
      2015-10-26 – 2015-10-28
  • [学会発表] 抗生物質BD-12生合成遺伝子の機能解析2015

    • 著者名/発表者名
      新倉春香,丸山千登勢,泉川美穂,石川淳,池田治生,新家一男,濱野吉十
    • 学会等名
      2015年度日本放線菌学会大会
    • 発表場所
      富山国際会議場(富山県、富山市)
    • 年月日
      2015-09-07 – 2015-09-08

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公開日: 2017-01-06  

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