抗生物質streptothricin(ST)の生合成において、アミノ糖とβリジンのペプチド結合形成は、NRPSによって触媒される。本研究では、βリジンの代わりにグリシン側鎖を有するST類縁化合物BD-12の生合成について検証し、アミノ糖とグリシン側鎖のペプチド結合がNRPSではなくFem様酵素Orf11によってtRNA依存的に形成されることを見出した。すなわち、Orf11はGly-tRNAを基質として利用する。さらに、Orf11のホモログ酵素Sba18を同定し基質特性を評価したところ、Gly-tRNAだけでなくAla-tRNAとSer-tRNAを基質として認識し、新規ST類縁化合物を生産した。
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