亜高山帯針葉樹林や暖温帯広葉樹林において、暗い林床に生息している植物を対象に、自然安定同位体比による菌従属栄養性(必要な炭水化物を根に共生する菌から獲得する生活様式)の有無や程度、根に共生している共生菌の同定、光合成特性などを調べた。その結果、ラン科やイチヤクソウ連(ツツジ科)に属する多くの植物において部分的な菌従属栄養性が明らかとなった。そのようなラン科植物の多くは土壌中の多様な菌類の中から特定の菌群を選好しているのに対し、イチヤクソウ類においては幅広い菌種と共生していた。また同所的に生息するイチヤクソウ連は種によって菌への栄養依存様式や依存度が異なったことから、ニッチ分化が示唆された。
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