デイゴの衰退木樹幹からFusarium solani種複合体(FSSC)に属する菌が高頻度で検出され,その分布範囲では水分通導が停止していたことから,この菌による衰退枯死の可能性が示された。優占的に検出される2菌株の健全苗木への接種により,落葉を経た枯死が高率で発生し,その病原性が確認された。従ってデイゴの衰退・枯死は菌類による萎凋病(新病害)であり,デイゴヒメコバチは枯死の主因ではない。この2菌株は,FSSCの中でAmbrosia Fusarium Cladeに属すことがEF-1α領域の解析により判明し,養菌性キクイムシとの共生が示唆された。
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