最近ではセルロースナノファイバーが注目を集めているが、セルロースの階層構造を破壊してミクロフィブリルレベルまでサイズダウンすることにより、新たな機能が期待される。本研究ではその階層構造に働く膨潤タンパク質のスウォーレニンの機能を調べることを目的に行った。本タンパク質を異種発現生産することに成功したが、良好な結晶が得られなかったため、3次元構造の解析には至らなかった。一方、結晶型の異なるセルロースに対して、Ⅰ型結晶には作用したが、Ⅱ型およびⅢ型の結晶にはほとんど作用しなかった。これは本タンパク質の作用する部位が、ミクロフィブリルの集合部位であり、階層構造の有無と密接に関連していることを示唆した。
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