熱分解によるバイオマスからのケミカルス生産において、炭化反応を含む2次熱分解反応を制御することは重要である。セルロースは、一辺が数十ナノメートルの断面よりなる微結晶の集合体であり、その界面から熱分解が進行することから、微結晶間で起こる熱分解反応を制御することが必要である。そこで、本研究では、水素結合を制御し2次熱分解反応を抑制できる芳香族溶媒の可能性について検討した。その結果、極性な官能基を持つ芳香族溶媒が微結晶間に効果的に侵入し、2次熱分解反応を制御することで、レボグルコサンと5-HMFを効率的に生成することを明らかにした。また、5-HMFを経由したセルロースの炭化機構が新たに提案された。
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