RNA干渉法による不妊化アワビの種苗生産するための基盤技術の開発を行った。RNA干渉法に着目し、アワビの初期胚内で生殖細胞の発生に必須な母性因子を一時的に減少させた状態で発生させる条件を決定した。標的遺伝子として、vasa遺伝子を選定し、約300bpのdouble strand RNA (ds-RNA)を合成し、産卵直前のアワビ卵巣へ注入した。ds-RNAには、あらかじめDIG標識を施し、注入後のds-RNAの挙動を調べたところ、注入後3時間以降で、卵母細胞内に移行することが明らかとなった。さらに、このアワビを産卵させることで、受精卵内で母性vasa mRNA量を減少させることに成功した。
|