真骨魚類の視覚系に関する研究は、網膜の形態学的および生理学的研究が主流である。網膜から脳のどこに情報が伝えられるかについての形態学的研究も存在する。しかし、脳の一次視覚中枢以降の神経回路や生理学的特性についての研究はほどんどなく、特に大脳にいたる視覚回路についての研究は非常に少ない。本課題では、視覚に依存して行動する傾向の強いマハゼを研究対象として、中枢神経回路や視覚中枢の生理学的特性を調査することを目的としている。昨年度は大脳にいたる神経路のあらましがわかってきていたが、今年度はこの神経路が確定した。それらについて学会で報告した。また論文の原稿ができあがりつつあり、研究期間中には間に合わなかったが、近いうちに投稿する。またモデル魚であり今後の研究対象として有望なメダカの網膜についての研究も行った。またこれらの知見は、依頼されている書籍の章の記述に反映する予定である。
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