本研究では,鏡面冷却式微小水ポテンシャルセンサーFINEDEWを土カラムに適用し,土の蒸発,凍結,融解過程における水ポテンシャルを飽和から水頭単位で-300,000 cmH2O 程度の低水分領域までのモニタリングを行った.凍結融解過程の不凍水圧の測定値は,測定温度から推定されるクラウジウスクラペイロン(CC)の式の理論値とほぼ一致することが確認できた.しかし,凍結過程が比較的早い場合,CC式の理論値は測定値を過小評価する傾向があり,凍結過程の水の相変化が非平衡状態にあることが示された.今後,FINEDEWによるモニタリングにより,相変化を伴う水分移動の解明が期待される.
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