ステンレスパイプは酪農業や乳製品加工業において広く使用されている。牛乳の汚れはパイプ表面に付着しやすく,品質低下や食中毒の原因となる。汚れを取り除くためには洗浄が不可欠であるが,エネルギー消費や廃水由来の環境負荷が問題となっている。本研究では,表面を表面粗さを0.01μm Raまで超平滑化させたステンレスパイプを用いて,牛乳汚れの洗浄性向上を試みた。牛乳温度が40℃の場合,表面を平滑化することによって牛乳汚れおよび特定成分の洗浄性が向上した,また,牛乳温度や洗浄液流量が影響することを明らかにした。 これらの知見は,牛乳汚れの洗浄における環境負荷低減に資するものと考えられる。
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