本研究では、野良イモ対策で成果を得た雪割り(圃場内除雪)による土壌凍結深制御手法の技術的拡張を目指し、以下の結果を得た。1)生産性向上と環境負荷低減を両立する最適土壌凍結深の概念に到達し、火山灰土壌ではこれが深さ約30cmを導いた。2)野外の土壌凍結条件を再現し、かつ作物を栽培できる最小限の量の土壌で室内実験ができる方法を構築した。3)冬季の越冬作物に損傷を与えず、雪を踏みつぶして熱伝導効果を高め、凍結を促進させる圧雪手法を検討したところa)圧雪手法でも凍結深制御は可能であること、b)小麦畑の適用で、野良イモ防除と小麦の良好な生育を両立する越冬作物生態系制御の可能性を見出した。
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