研究課題
最終年度である今年度は、食品の乾燥プロセスに関連して1)原産国・地域が異なるカカオ豆に含まれるカカオポリフェノールの産地別定量分析および2)高圧処理後の緑茶葉の乾燥プロセスに関する実験的検証を行った。1)については、国別にカカオ豆のカテキン成分が5%水準で有意に異なること、(-)-epicatechinとEpigallocatechin gallateは地域間、品種間でその量に5%水準で有意差があることが示され、さらに地域による品種の選択の優位性があることから2種類のカテキン成分量には地域がかなり強い影響を及ぼすことが示唆された。加えて、(-)-epicatechinの値とカカオパウダーの割合にやや強めの相関が見られた。これによりカカオパウダーの割合が多いカカオ豆には(-)-epicatechinの量が多いことが示唆された 。2)については、緑茶に含む23種類のアミノ酸が高圧処理による影響を蒸し処理と比較した。生茶葉に100-700MPaで10-60分間または蒸し処理を施し、凍結乾燥した。乾燥後の試料を沸騰の水で5分間抽出し、LC/MSによりアミノ酸を定量した。高圧茶葉は蒸しよりテアニン、グルタミン、およびGABAを顕著に多く含み、新鮮な茶葉に近い状態が残された。予算の制約により高機能形熱画像計測装置の購入を断念したこともあり、乾燥プロセスの非破壊オンライン測定システムの開発に向けて今後の課題を数多く残す形とはなったものの、食品の乾燥プロセスに関する実験的検証に関しては十分な基礎データが得られた。
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