本研究では、ピコ秒オーダの極短時間パルス近赤外光の物質内部での時間変化を解析 することにより、果実の吸収係数および等価散乱係数を厳密に求め(TOF-NIRS)、さ らに果実に照射されたハロゲン光の拡散反射光強度を2本のファイバで検出し(TFDRS)、両者のパラメータから物質内部での光吸収量(化学成分値)を統計解析に頼らずに求めることに成功した。さらに計測した光学定数からモンテカルロシミュレーションを用いて、りんご内部での光挙動のシミュレーションを行った。これにより①蜜部位の面積比率と透過光強度に相関があること、②りんごの散乱係数が大きいことから、透過画像から蜜部位の特定が難しいことが判明した。
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