研究課題/領域番号 |
15K14847
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
井上 亮 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 講師 (70443926)
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研究分担者 |
尾関 基行 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (10402744)
塚原 隆充 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 研究員 (90562091)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ブタ / 初乳 / 細菌 / 仔豚 / 腸内細菌叢 |
研究実績の概要 |
本年度は、初乳中の細菌の解析、初乳中細菌と仔豚腸内細菌叢との関係の検討を行った。計11匹の母豚から採取した初乳及び常乳(仔豚の離乳時に採取)の細菌叢を次世代シーケンサーを用いて解析した。11匹のうち、6匹の産仔に関しては、乳中細菌の仔豚腸内細菌叢との関係を検討するために、生後24時間初乳を摂取させず、代わりに人工乳を摂取させた。1腹あたり3-5匹の仔豚を選抜し、7、21日齢時に糞便を採取し、糞便内細菌叢を乳中細菌と同様に次世代シーケンサーを用いて解析した。 ブタ初乳中には多様な細菌が存在することが明らかになったが、Streptococcus、Bacteroidesなどが比較的多い割合を占めた。一方、常乳は初乳とは大きく異なった細菌叢を示し、授乳期間中に細菌叢が変化することがわかった。 仔豚腸内細菌叢と乳中細菌叢構成の類似度を検討したところ、21日齢時(離乳時)では初乳摂取の有無で類似度に差は見られないものの、7日齢時の腸内細菌叢は初乳を摂取していない仔豚よりも、摂取した仔豚のほうが有意に高い類似度を示した。このことから、少なくとも哺乳中は乳中細菌が仔豚の腸内細菌叢の一部となっている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画よりも使用する母豚数が少なくなったが、計画に沿った成果を出すことができている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、乳中細菌を変化させ得る要因として、抗生物質やプロ・プレバイオティクスなどの影響を検討する。また、本年度の結果をさらに詳細に解析し、離乳産仔数の多い母豚と少ない母豚の乳中細菌の違いなども検討する。
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