エボラウイルスはヒトまたはサルに急性で致死率の高い感染症(エボラ出血熱)をひき起こす。現在見つかっているエボラウイルスは系統学的に5種に分けられており、抗原性が大きく異なっている。本研究では、全てのエボラウイルス種に交差反応性を示す中和抗体の作出方法を検討した。免疫抑制剤であるラパマイシンを投与しながらウイルス様粒子で免疫したマウスあるいはエボラウイルスの表面糖蛋白質遺伝子をゲノム内に組み込んだ増殖性の水疱性口炎ウイルスを感染させたマウスでは、通常のアジュバントを用いた免疫方法よりもエボラウイルス種間交差反応性を示す中和抗体が多く誘導される可能性が明らかとなった。
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