心電図における心室興奮の開始から終了するまでの時間に相当するQT間隔の延長は、ヒトの臨床において先天性および後天性QT延長症候群として注目されており、安全性薬理試験では薬物を開発する上での評価項目として重要視されている。本研究では心室筋における再分極を担うIKsチャネルをゲノム編集技術によりノックアウトして再分極予備力が低下したウサギのモデル動物を作製し、その有用性を明らかにすることを目的とした。ゲノム編集に数匹の変異個体が得られた。これらの動物について、IKrチャネル遮断薬のE-4031を麻酔下で投与し心電図におけるQT間隔に及ぼす影響を検討したが、顕著な延長を認めることができなかった。
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