本研究では、新規「細胞外」ポリADPリボース(EC-PAR)レセプターの同定と脳神経疾患における役割について研究を実施した。EC-PARはグリア細胞からグリア細胞株神経栄養因子(GDNF)の合成を特異的に促進することを発見した。また、ラット6-OHDAパーキンソン病モデルにおいて、EC-PARの脳病巣部への直接投与は、脳内グリア細胞からのGDNF産生も促進し、異常行動を抑制したことから、神経栄養シグナル分子であることを明らかにした。こららの成果により、これまで不明であったEC-PARの病態生理学的役割(神経保護効果)が解明され、また、パーキンソン病における新規創薬標的を提示することが出来た。
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