研究課題/領域番号 |
15K14866
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
西藤 公司 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20365422)
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研究分担者 |
井手 香織 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (40550281)
角田 茂 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (80345032)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 毛包幹細胞 / ネスチン / 上皮系幹細胞 / 神経堤幹細胞 |
研究実績の概要 |
本年度はKeratin 15 promoterとNestin promoterの両方が活性化した細胞において、Cre-loxP部位特異的組換えによりFlpERT2を発現するマウスの作出を試みた。 まずKeratin 15 promoterの下流にDsRed(flox)-EGFPを挿入したプラスミド (K15-DsRed(flox)-EGFP)の作製を試み、遺伝子導入した大腸菌から組換えプラスミドを回収することに成功した。続いて前述したプラスミド配列中のEGFP遺伝子をFlpERT2遺伝子に置換したプラスミドの作製を試みたものの、遺伝子導入した大腸菌が死滅してしまったため組換えプラスミドの回収には至らなかった。 そこでKeratin 15 promotorの下流にCreERT2遺伝子を挿入したプラスミド (K15-CreERT2) と、Nestin promoterの下流にDsRed(flox)-FlpERT2を挿入したプラスミド (Nes-DsRed(flox)-FlpERT2) の作製をそれぞれ試みた。その結果、いずれのプラスミドともに大腸菌への遺伝子導入に成功し、組換えプラスミドを回収することができた。 現在は各プラスミドを培養マウス角化細胞株または培養マウス神経芽細胞腫株に遺伝子導入し、挿入遺伝子の蛋白発現が認められるかを確認しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本来は新規トランスジェニックを用いた解析がこの時期には終了している筈であったが、遺伝子組換え実験が成功しなかったため実験に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はK15-CreERT2を遺伝子導入したNeuro2aマウス神経芽細胞腫細胞株、ならびにNes-DsRed (flox)-FlpERT2を遺伝子導入したPam212マウス角化細胞株において、CreERT2ならびにDsRedの発現が認められるかをそれぞれ観察する。 前述の蛋白発現が認められた場合は、Nes-DsRed(flox)-FlpERT2とpCMV-CreをPam212細胞に遺伝子導入し、4-hydroxytamoifen誘導下でDsRedの消失およびFlpERT2の発現が認められるかを確認する。 上述の発現実験に成功したら、2種類の組換え遺伝子をマウス胚細胞に遺伝子導入してトランスジェニックマウスの作出を試みる。マウスの作出に成功したら、Flp-FRT部位特異的組換えによりmTFPを発現するCAG-mTFPマウスと、本研究で作製する2種のトランスジェニックマウスとを交配させることにより、タモキシフェン誘導下でNestin陽性細胞がDsRedを、またNes/K15二重陽性細胞とその娘細胞がmTFPを発現するマウスの作出を試みる。 このマウスの毛包におけるmTFP陽性細胞の分布を観察することにより、マウス成体毛包に分布するNes/K15二重陽性幹細胞の分化運命を解析するとともに、前述の分化に関わる遺伝子群をDNAマイクロアレイ解析により特定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は遺伝子改変マウスを作出して成体幹細胞の細胞系譜ならびに関連遺伝子群の探索を行う予定であったが、遺伝子改変マウスの作出に必要となる組換えプラスミドの作製に時間がかかり、いまだマウスの作出に至っていないため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、本年度に作製した組換えプラスミドを元に、研究分担者の元で遺伝子改変マウスの作出を試みるための消耗品類に残額の一部を使用する。また目的となる成体幹細胞の細胞系譜を解析するために必要な、CAG-mTFP1を理研から有償で入手する。さらに前述の細胞系譜に関与する遺伝子群を特定するためのDNAマイクロアレイ解析を、外部機関に有償で委託する。
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