慢性腎臓病(CKD)は現代の国民病となり、患者数の増加、医療経済の圧迫は深刻である。本研究において、我々はCKDの病理発生に関与する遺伝子座をDBA/2マウスの第12番染色体上に発見し、DBA/2 renal cyst“drecy”と命名した。病理学的解析から、drecy 遺伝子座はDBA/2マウスの遠位尿細管上皮の小胞やイオンの輸送又は細胞接着に関連する分子の変化に関与していた。これらのイベントは遠位尿細管上皮細胞の表現型異常を、遂には嚢胞形成を誘導していると考えられた。遺伝子発現解析から、その発症にはD12Mit182-83領域に含まれる遺伝子群、特にGreb1が強く関連すると考えられた。
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