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2016 年度 実績報告書

抗鬱薬に対するドラッグデリバリーシステムとしてのラクトフェリンの有用性

研究課題

研究課題/領域番号 15K14878
研究機関鳥取大学

研究代表者

竹内 崇  鳥取大学, 農学部, 教授 (20216849)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードラクトフェリン / 抗うつ効果 / ドパミン受容体 / 一酸化窒素
研究実績の概要

牛ラクトフェリン(bLf)の脳実質への移行動態を解析する目的で、前年度に引き続き、bLfの(10, 30 mg/kg)をマウスの尾静脈から投与し、30分後に麻酔下にて生理食塩水を灌流し、さらにパラフォルムアルデヒドによる灌流固定後に脳を採取し、海馬に移行したbLfの免疫組織学的検出を試みた。同様に、リポソーム修飾したbLf(10, 30 mg/kg)をマウスの尾静脈から投与し、海馬のbLf検出を試みた。いずれにおいても、海馬のbLfは検出限界以下であった。
そこで、本年度は行動学的解析により既存の抗鬱薬に対するbLfの増強効果について検証を進めた。抗鬱薬として、モノアミン再取り込み阻害薬であるImipramine、選択的セロトニン再取り込み阻害薬であるFluoxetine、ドパミンD2受容体作動薬であるPramipexoleを用い、bLf投与との併用効果を強制水泳試験によって解析した。その結果、3種の抗鬱薬はいずれも単独ではマウスの無動時間を短縮させ抗鬱効果が確認されたが、ImipramineおよびFluoxetineとbLf (100 mg/kg, ip)を併用すると無動時間は延長し、bLfはこれら抗鬱薬の作用を打ち消した。一方、PramipexoleとbLfを併用すると、無動時間はPramipexole単独よりもさらに短縮し、相乗効果が確認された。
PramipexoleとbLfの併用効果における作用機序を明らかにする目的で、脳内の一酸化窒素(NO)合成に着目し、PramipexoleおよびbLf投与前に神経型NO合成酵素阻害薬である7-nitroindazoleを投与することで、PramipexoleとbLfによる相乗効果は完全に消失した。
以上の結果から、ラクトフェリンは脳内のNO合成を修飾することにより、D2受容体を介した抗鬱効果を増強することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Multifunction of milk-derived iron-binding protein (lactoferrin) for the central nervous system.2016

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi T
    • 学会等名
      6th International Conference and Exhibition on Nutrition
    • 発表場所
      San Antonio
    • 年月日
      2016-09-15 – 2016-09-15
    • 国際学会
  • [学会発表] 反復強制水泳モデルマウスにおけるラクトフェリンの抗鬱効果とオピオイドおよびNOの関与.2016

    • 著者名/発表者名
      下橋香奈、杉山晶彦、竹内 崇
    • 学会等名
      第159回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      藤沢市
    • 年月日
      2016-09-08 – 2016-09-08

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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