ほ乳動物において4倍体などの多倍体胚は胎生致死となる。ゲノム倍加によるES細胞の生体への寄与の変化を調べるために、EGFP陽性4倍体ES細胞と2倍体胚桑実胚のキメラ胚を作成した。胚盤胞期胚の内部細胞塊において4倍体ES細胞由来の細胞の分布がEGFP陽性細胞として確認された。また、着床胚や胎子付属物における4倍体ES細胞由来の細胞の分布を観察したところ、胎齢12.5日の胎子の組織内や卵黄嚢においてEGFP陽性細胞が多く見られ、4倍体ES細胞由来の細胞が局在していることが明らかとなった。以上、倍数性の変動にかかわらず、マウス胚性幹細胞の多能性は失われないが、分化指向性は異なることが明らかとなった。
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