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2016 年度 実績報告書

昆虫の性を制御するホルモン依存性miRNAの同定

研究課題

研究課題/領域番号 15K14892
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 雅京  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (30360572)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード性決定 / 性分化 / エクダイソン / エクダイソン受容体EcR / ポナステロン / doublesex
研究実績の概要

平成27年度までの研究成果により、卵内のエクダイソンを供給する上で主要な役割をもつEPPaseをノックダウンすると、カイコの性分化のマスター遺伝子であるBmdsxの発現量が減少することが判明した。この事実は、エクダイソンからのシグナルが胚子期におけるBmdsxの発現量を制御することを示唆している。そこで平成28年度はエクダイソンシグナル伝達に関わる主要な遺伝子のノックダウンがBmdsxの発現量に及ぼす影響について調べることにした。その結果、活性型のエクダイソンである20-ヒドロキシエクダイソン(20E)の受容体であるEcRの発現をノックダウンした場合にのみ、雌雄の胚子におけるBmdsxの発現量が有意に減少することが明らかとなった。このことは、Bmdsxの発現がEcRの制御下にあることを示している。そこで次に、20Eアナログであるポナステロンを卵内に注射し、20Eの投与がカイコの性分化に及ぼす影響を調べた。しかし、ポナステロンの注射は多くの胚子に致死をもたらし、わずかに生存した卵から孵化した個体の性分化について調べたが、特に異常はみられなかった。様々な濃度でポナステロンを卵に注射したが、20E投与に応答するはずのEcRの発現量の増加がみられず、Bmdsxの発現量にも変化は認められなかった。胚子におけるEcRの増加を引き起こすポナステロン注射条件を見つけることができなかったため、胚子由来の培養細胞であるNIAS-Bm-M1細胞をポナステロン存在下で培養し、ポナステロン処理がBmdsxの発現量に及ぼす影響について調べることを試みたところ、この細胞ではBmdsxがほとんど発現しておらず、実験には適していないことがわかった。以上、平成28年度の研究により、Bmdsxの発現がEcRの制御下にあることが判明したが、20EがBmdsxの発現を誘導するか、またカイコの性分化を制御するか、という点については明らかにできなかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of the Doublesex protein binding sites that activate expression of lozenge in the female genital disc in Drosophila melanogaster2017

    • 著者名/発表者名
      Wagamitsu S, Takase D, Aoki F, and Suzuki MG.
    • 雑誌名

      Mechanism of Development

      巻: 143 ページ: 26-31

    • DOI

      10.1016/j.mod.2017.01.001.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] カブラハバチのdoublesexオルソログの同定とその機能解析2017

    • 著者名/発表者名
      峰 翔太郎, 畠山正統, 炭谷めぐみ, 青木不学, 鈴木雅京
    • 学会等名
      第61回日本応用動物昆虫学会大会
    • 発表場所
      東京農工大学小金井キャンパス(東京都小金井市)
    • 年月日
      2017-03-27 – 2017-03-29
  • [学会発表] ショウジョウバエの雄生殖原基におけるbranchlessの発現に必要なDSX結合シスエレメントの探索2017

    • 著者名/発表者名
      澤本東海, 青木不学, 鈴木雅京
    • 学会等名
      第61回日本応用動物昆虫学会大会
    • 発表場所
      東京農工大学小金井キャンパス(東京都小金井市)
    • 年月日
      2017-03-27 – 2017-03-29
  • [学会発表] カイコのDMRT遺伝子の発現および機能解析2017

    • 著者名/発表者名
      笠原良太, 青木不学, 鈴木雅京
    • 学会等名
      日本蚕糸学会第87回大会
    • 発表場所
      農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター(茨城県つくば市)
    • 年月日
      2017-03-21 – 2017-03-22
  • [学会発表] イエバエの雌決定遺伝子transformerは自己の雌型スプライシングを制御する2017

    • 著者名/発表者名
      田中有沙, 青木不学, 鈴木雅京
    • 学会等名
      日本蚕糸学会第87回大会
    • 発表場所
      日本蚕糸学会第87回大会
    • 年月日
      2017-03-21 – 2017-03-22
  • [備考] 資源生物制御学分野ホームページ

    • URL

      http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/seigyo/

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公開日: 2018-01-16  

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