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2016 年度 実施状況報告書

市民の強剪定要望を克服する街路樹の維持管理システムと協働型の景観育成計画の構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K14908
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

赤澤 宏樹  兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (30301807)

研究分担者 川口 将武  大阪産業大学, デザイン工学部, 講師 (30298814)
上田 萌子  兵庫県立人と自然の博物館, その他部局等, 研究員(移行) (10549736)
大平 和弘  兵庫県立人と自然の博物館, その他部局等, 研究員(移行) (90711169)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード街路樹 / 維持管理 / 市民要望 / 官民市民協働 / 強剪定
研究実績の概要

平成28年度は,中核市である東大阪市にて,市民要望の多い街路樹路線を抽出し,その樹木構成と空間的・環境的要因との関係性を土地利用区分毎に分析した。分析の結果,住居系土地利用に最も市民要望の数と割合が多く,次いで住商混合土地利用,住工金剛土地利用と少なくなる一方で,市民要望の内容は土地利用区分毎に異なるものであった。このことから,多種の土地利用が一定規模で存在する中核市では,土地利用区分を計画単位として,市民要望を基にした街路樹の維持管理計画の策定が可能であることが示唆された。具体には,住居系土地利用では官民市民協働による居住環境の質を高めること,住工混合土地利用では商業空間の価値向上を踏まえた利用者の管理における役割分担,住工混合土地利用では低管理型の整備を基にした事業者の理解と協力が必要であると考えられる。
また,協働による街路樹景観育成計画の枠組みの基礎調査として,米国ワシントン州シアトル市およびカリフォルニア州サンフランシスコ市にてヒアリング調査を実施した。両市では街路樹の60%から70%が市民や事業者によって植栽および管理されており,協働による街路樹管理の先進的な事例であった。事業者に対しては,開発に伴う植栽Codeを細かく規定すると共に,デザインを確認・助言するアドバイザリーボードが権限を基にして適切に機能していることが明らかとなった。市民に対しても,詳細な植栽および管理のガイドラインを定めると共に,小学校の環境学習の一環として街路樹に関する授業を開催し,市民向けの講座をNPOと協力して実施するなど,管理作業の前段からの官民市民協働が確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

想定していた対象都市において,街路樹に対する市民要望が保管されておらず,広範囲での分析が送れている。また,海外事例の調査および分析に注力したため,国内事例の収集および分析に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

国内事例の情報収集を本年度前半で補完すると共に,計画どおり自治体担当部局にヒアリング調査を実施し,市民要望を適切に分析でき且つ実務の用に耐えうる街路樹の維持管理システムを提案する。
また,29年度は研究の最終年度にあたるため,平成27年度および28年度の調査結果を踏まえ,①中長期的な街路樹景観のあり方を行政・市民で共有し,②専門的な街路樹の維持管理は行政が担いつつ,③個別の市民要望ではなく地域の総意に基づいて協働の景観育成を行う指針を示す「街路樹景観育成計画」を提案する。

次年度使用額が生じた理由

協働による街路樹景観育成計画の枠組みの基礎調査について,海外事例調査に注力したため,国内事例調査に遅れが生じ,その支出が繰越となっている

次年度使用額の使用計画

繰越額を使用して年度前半に国内事例調査を実施し,研究計画全体は遅れが無いように考慮する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] ランドスケープのマネジメントと新しい価値づくり

    • URL

      http://www.jila-zouen.org/wp-content/uploads/2017/02/JILA_LAAF_80_4-akazawa.pdf

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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