東京都城東三区における戦災樹調査の後、調査範囲を東京都23区へ拡大し調査を完了させた。これにより戦災樹の現状把握と、戦争遺産の一つとして今後どのように保全していくべきかという問に対する基礎的データの充実を図ることができた。また戦災地方都市における現地調査から、樹木に遺る損傷痕は戦災だけでなく各地域独自の歴史的事象との強い関連性がみられることを明らかにし、戦災樹の延長上には被災樹も存在していることが確認された。 これらの研究成果は、国内に向けて発信するのは当然のことながら、国際会議にて複数回発表する機会を得て戦災樹の現状や保全活用方法、景観・緑地環境との関わりなどについて海外に向けても発信した。
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