糸状菌のアカパンカビはRIPと呼ばれる独特のゲノム防御機構を持つ。RIPは生殖期に重複配列を検出し、両配列とも変異させ、究極的には遺伝子を破壊する。しかし、この分子機構はまったくわかっていない。本研究では、このRIPを可視化するシステムの構築を目指した。まず、青、緑、赤、近赤外の蛍光蛋白質をアカパンカビに最適化し、これらを用いて異なる核内領域を可視化することに成功した。更に、蛍光蛋白質の検出を高めるために、透明化させた子嚢殻(生殖器)を効率よく作製する手法を確立した。現在、改良した蛍光蛋白質を重複配列へ繋ぎ止めさせて検出する手法の最適化を行っている。
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