研究実績の概要 |
本研究では、パーフォリン、もしくはグランザイムBとlysosome-associated membrane protein-1 (LAMP-1)を連結させることによって、細胞傷害顆粒に対する膜結合型分子プローブを作製することを目的とした。LAMP-1遺伝子は、C末端にリソソームの局在に必要な短いサイトゾル領域を有している。N末端にシグナル配列を含むヒトパーフォリン、もしくはヒトグランザイムBにヒトLAMP-1 (325-417)を融合させた遺伝子を作製し、C末端にFLAGタグ、もしくは緑色蛍光タンパク質(EGFP)を連結させた発現ベクターを構築した。ヒト胎児腎細胞HEK293Tにトランスフェクションし、抗FLAG抗体によるウェスタンブロッティングを行ったところ、パーフォリン-LAMP-1とグランザイムB-LAMP-1の発現が確認された。さらに、パーフォリン-LAMP-1-EGFPとグランザイムB-LAMP-1-EGFPは、LysoTracker Red DND-99と共局在することが観察された。 ヒトナチュラルキラー(NK)細胞株YTSから単離された細胞傷害顆粒に含まれることが報告されている膜タンパク質(Casey et al., Mol. Cell. Proteomics, 6, 767-780, 2007)とヒト末梢血由来NK細胞においてインターロイキン2刺激によって発現が亢進する分泌経路の関連遺伝子(Dybkaer et al., BMC Genomics, 8, 230, 2007)を比較し、共通する遺伝子としてTMP21、HM13、SLC3A2を見出した。ヒトNK細胞株YTN10を用いてcDNAライブラリーを作製し、HM13とTMP-21の2つの遺伝子をクローニングし、C末端にFLAGタグを連結した発現ベクターを構築した。
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