研究課題/領域番号 |
15K14921
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三浦 大典 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40532627)
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研究分担者 |
藤村 由紀 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20390304)
早川 英介 九州大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (20739809)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | メタボロミクス / イメージング / 質量分析 |
研究実績の概要 |
本研究では、申請者がこれまでに開発してきたマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法を基盤とした質量分析イメージング技術を先鋭化することで、これまで未知であった植物個体内微少領域における代謝動態の二次元可視化を試み、植物代謝研究における新たな基盤技術の創生と生理・形態学的情報を与える新たなオミクス解析ツールの提供を目指している。 本年度は、既に保有するMALDI用マトリックス候補化合物(既知マトリックス:20種、新規合成マトリックス:70種)および本申請にて購入する既知マトリックス誘導体(80種)を用い、植物に含まれる代表的な二次代謝産物(ポリフェノール類・フラボノイド類・カロテノイド類・植物ホルモンなど)約50種類に対する総当たりスクリーニングを行い、植物組織から直接低質量分子を検出するための、十分な感度(pmolオーダー)を達成できるマトリックスの探索を行った。その結果、1,5-diaminonaphthalene (1,5-DAN) が最も優れたマトリックスであることが判明した。また、一次代謝物の検出には、これまでの検討通り9-aminoacridine (9-AA) が適していることも見出した。 さらに、9-AAを用いて質量分析イメージングに適したマトリックス塗付法についても、その最適条件を見出すに至っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
既に最適マトリックスの選定は終了し、サンプル調製法の最適化まで実施できた。また、平成28年度実施予定であったトマト果実を用いた、傷害ストレスを与えたトマト果実における代謝応答の空間的変動を捉える実験にも着手し、特異的な代謝応答の発見にも成功している。さらに、モデル植物であるシロイヌナズナを用いた実験にも既に着手している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画以上に進展しており、当初の予定通り着実に研究を進める。また、本研究で確立した手法をモデル植物であるシロイヌナズナに適用し、植物代謝研究における新たな基盤技術の創生と生理・形態学的情報を与える新たなオミクス解析ツールの提供を目指す。
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