有機超電子供与剤を用いた芳香族ハロゲン化合物の金属フリーの選択的な分子変換反応の開発を行った。有機超電子供与剤としては、N-メチルベンズイミダゾールから誘導されるSED-1と4-ジメチルアミノピリジンから誘導されるSED-2の二つを用いて、官能基を有する芳香環あるいは複素芳香環上における変換反応を検討した。特に分子内求核反応を利用する閉環反応を試み、従来の有機金属を用いる手法では共存が困難な官能基を有する基質においても選択的に変換反応が達成できることを明らかとした。その過程においてニトロベンゼン誘導体を有機超電子剤と反応させることによりアゾベンゼン誘導体へと選択的に変換できることを見出した。
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