研究成果の概要 |
γ-ブロモ-α,β,γ,δ-不飽和アシルシランに,相間移動触媒としてシンコナアルカロイド由来の四級アンモニウム塩存在下,二層系溶媒中KCNを反応させると,2-シアノ-2-シロキシビニルアレンが最大エナンチオマー比79:21で得られた.本反応は,カルボニル基へのシアニドイオンの求核付加/Brook転位/ブロモ基の1,4-脱離を経て進行しているが,脱離の際にC-Si結合とC-Br結合がsyn配置を取っていることも明らかになった.キラルな臭化アンモニウム誘導体とKCNの組合せが,キラルなシアニドイオン源になり得るという知見は興味深く,今後の更なる展開が期待される.
|