炎症性腸疾患に対する核酸医薬による治療システムの開発を目的に、「自己ゲル化核酸」技術を利用してキトサン被覆DNAマイクロゲル製剤の開発を試みた。まず、DNAハイドロゲルの粘膜面への投与可能性を検証するために、免疫刺激性CpG1668結合DNAハイドロゲルを開発した。CpG1668結合DNAハイドロゲルのマウス膣内への投与により、高いサイトカイン産生、単純ヘルペスウイルス2型の増殖抑制が得られた。次いで、CpG1668結合DNAハイドロゲルをキトサンで被覆したマイクロゲル製剤を開発した。キトサンの被覆により、酸性条件下およびDNA分解酵素存在下におけるDNAハイドロゲルの安定性は顕著に増大した。
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