本研究の目的は、細胞膜表面にPEG脂質を介してタンパク質リガンドを導入し、標的細胞との接着を向上させる方法の開発である。リガンドのモデルとしてmCherryに対する低分子抗体VHHを用いた。VHHと抗原の結合に影響を与える可能性が低い箇所に非天然アミノ酸によりアジド基を導入し、PEG脂質をVHHの特定の箇所で結合させた。まず、DBCO-PEG-DSPEを細胞の表面に修飾し、Az-VHHを添加することで細胞膜にVHHを導入できた。細胞膜に導入されたVHHは抗原特異的な結合能を保持しており、VHH修飾細胞は抗原をコーティングされたディッシュに対し抗原特異的に接着が向上した。
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