代表的な医薬化合物である解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンをモデル材料として,超音波誘起結晶化技術により準安定相Ⅱ形の選択晶出を報告していた.本研究ではこのⅡ形微結晶を種子結晶として利用し,徐冷法による低速成長によって結晶内部の欠陥が大幅に低減することを明らかにした.また,ポリマー誘起核発生を用いて,Ⅱ形よりも高溶解性の三水和物の結晶化に成功し,三水和物からの溶液媒介相転移を通したⅡ形育成技術を開発した.いずれの方法においても,従来よりも高品質で経時安定性に優れた準安定形を選択的に作製できることを実証した.
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