本研究は、腫瘍内pH変化を感知し自走するDDSキャリアー開発を目指した。初年度は、バクテリアゴースト調製に試薬濃度等の詳細な検討が必要なこと、また大腸菌からのべん毛単離に成功した。2年度目は、バクテリアゴーストの調製に成功した。また、ゴースト画分にべん毛フィラメント構成タンパク質FliCが存在することを確認した。これらから、初年度に困難であったバクテリアゴースト調製法を確立できた。また、腫瘍組織浸透機能性素子AT1002とポリエチレングリコールを表面修飾したナノ粒子を構築し、がん細胞スフェロイド内へのナノ粒子の浸透に成功した。当初計画を完遂できなかったが、その足掛かりとなる材料が揃った。
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