小胞体ストレスシグナル系におけるNO調節性性タンパク質の同定を試みた.その結果,UPRセンサーの中,IRE1αおよびPERKがNOによって修飾されることがわかった.一方,ATF6にはまったく影響を及ぼさなかった.IRE1のS-ニトロシル化は変性タンパク質を認識する初期段階には影響しないことが明らかとなった.しかしながら,RNase活性に必要な部位(KEN domain)におけるCys931/Cys951がNOの標的であり,このとき,酵素活性は消失することが認められた.したがって,NOはIRE1αのCys931をニトロシル化することで,酵素活性を抑制していることが示唆された.
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