研究課題
これまでに培養大脳皮質ニューロンを用いた検討により、Aβ処置により神経細胞死が誘発されることを示してきた。本研究においては、ヒトiPS細胞由来ニューロンを用いて、Aβ毒性の発現ならびに薬効評価系を構築することを目的としている。その基礎的データとしてまずPC12細胞を用いて、用いる実験資材ならびに試薬の妥当性について評価を行った。PC12細胞を96 well plateならびに384 well plateに播種し、WST-1などのいくつかの細胞毒性検出試薬を用いて、その細胞生存率の測定を行ったところ、96 well plateを用いて、CellTiter-Glo Luminescent Cell viability Assayを用いた際に再現性良く毒性の検出ができ、薬効評価系としての利用に向いていることが明らかとなった。さらにニューロン-アストロサイトの相互作用による細胞死の変化については、ラット培養ニューロン単独培養およびラット培養ニューロン-アストロサイトの混合培養を用いて検討を行った。ニューロン単独培養においては、Aβ毒性は観察されたが、混合培養系においてはその毒性の発現が顕著に減弱した。
3: やや遅れている
計画では、PC12細胞ならびにラット初代培養細胞での実験系の構築のあと、ヒトiPS由来ニューロンを用いた検討を進める予定にしていたが、ヒトiPS由来細胞まで進めることが出来なかったため。
上述のとおり、研究ペースとしてはすこし遅れているので、遅れを取り戻すべく、現状構築した実験系において、ヒトiPS由来ニューロンならびにアストロサイトを用いた研究を進め、当初の研究計画を遂行する予定である。
本年度中は、ヒトiPS由来細胞を購入して行うことが出来なかったため、細胞購入費として使用予定だった分を次年度に繰り越した。
次年度に細胞を購入して評価系の確立を目指す。
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Biol Pharm Bull
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J Pharmacol Sci.
巻: 129 ページ: 150-159
10.1016/j.jphs.2015.09.003.