Agelastatin A(AA)は、Wnt/β-catenin経路を阻害し、がん細胞の増殖を顕著に抑制する。本研究では、脳腫瘍治療薬の開発に資するAA誘導体の創製を目指した検討を進め、以下の結果を得た。1)シリルエノールエーテルのラジカルアジド化を活用し、AA及びその誘導体に至る新規合成経路を確立した。本経路により1位窒素に様々な置換基を備えた誘導体を容易に調製することが可能となった。また、構造活性相関研究により優れた活性を示すAA誘導体を同定した。2)アルケンの触媒的オキシアジド化手法を開発した。3)上記合成経路により三種のプローブ分子を調製したが、いずれも活性を欠くことが判明した。
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