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2015 年度 実施状況報告書

M細胞を標的とした粘膜ワクチン用新規アジュバントの開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K14988
研究機関熊本大学

研究代表者

三隅 将吾  熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (40264311)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードM細胞 / 分化 / 花粉荷
研究実績の概要

花粉荷には、タンパク質やアミノ酸、食物繊維、ビタミン、ミネラルなども含まれていることが知られている。まず、本研究ではシスタス由来の花粉荷を花粉の色の違いで選別した。その後、各色の異なる花粉(黄色、黒)をEMEMを用いて、1%, 5%,10%となるようにストック溶液を調製した。最終的に0.8および0.45µmのフィルターで濾過滅菌を行って、Caco-2細胞を用いたin vitro M細胞分化モデル(Food Science & Nutrition, 3, 222-227 (2013))にてM細胞の分化誘導能およびトランスサイトーシス能を亢進させることができるのかを確認した。
その結果、in vitro M細胞分化モデルは、もともとRaji-B細胞をCaco-2単層膜とメンブランを介して共培養することで、Caco-2細胞をM細胞に分化させるが、過去の我々の知見でRoyal Jellyと花粉荷に関しては、Raji-B細胞を用いなくても、Caco-2細胞をM細胞様に分化できる可能性が示されていたため、初期の実験では、Raji-B細胞を用いずに実験を行っていたが、後からの実験で、実際に投与する可能性のあるヒトの腸管を考慮するとCaco-2細胞にapical側から花粉荷を処理し、またbasolateral側からメンブランを介してRaji-B細胞も共培養する方がM細胞様の機能を持つように誘導する効率が高いのではないかという結果が得られた。また、花粉の色の違いにより、M細胞様の機能をCaco-2細胞に誘導することに、現在までに差は見られなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

in vitro M細胞分化モデル(Food Science & Nutrition, 3, 222-227 (2013))の調製法を確立できたことで、色々な条件を調べることができるようになったことで、研究が行いやすくなった。これまでに、この評価系は、構築するまでにおよそ21日間要していたために、評価が難しかったが、その点が改善されたことが良かった。但し、大がかりに準備していた、M細胞モデル系が平成28年度4/14および4/16の熊本地震のために、全滅したため、再度ゼロから構築しなおさないといけなくなった点を危惧している。

今後の研究の推進方策

早急に復旧を目指し、花粉荷のM細胞活性化因子の同定とともに、M細胞分化活性化メカニズム(分化誘導およびM細胞抗原取込み能亢進に関与するレセプターの同定)を遺伝子発現レベルで明らかにすることによりM細胞活性機構をより明確にしたいと考えている。

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公開日: 2017-01-06  

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