21番目のアミノ酸として知られているセレノシステイン(Sec)は、tRNA上でセリンにセレノール基が供与されることで生合成されると言われている。この際のセレンの供与体として、SPS2という酵素により作られるセレノリン酸が知られているが、その構造は極めて脆弱に示唆されているに過ぎない。そこで本研究では、現在定説とされているセレノリン酸の構造が正しいか検証することを目的とし、セレン代謝の重要な経路の解明に挑んだ。その結果、SPS2で生合成されるセレン供与体が、セレノリン酸という構造を有していないと考えられる結論を得た。
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