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2015 年度 実施状況報告書

アバカビル重症薬疹を再現可能なヒト化モデル動物を利用した発症メカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K14995
研究機関千葉大学

研究代表者

伊藤 晃成  千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30323405)

研究分担者 関根 秀一  千葉大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (70401007)
青木 重樹  千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (30728366)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード特異体質毒性 / 皮疹 / HLA
研究実績の概要

HLA-B5701遺伝子を導入したトランスジェニックマウス(Tgマウス)のうち1つのラインについてアバカビル(ABC)の感作試験を行った。1週間に1回、ABCをフロイントアジュバントと混合して皮下投与すると共に耳にも塗布した。これを4-5週間繰り返し、その都度、耳の厚さを測定したところ、Tgマウスで対照群のマウスに比べて耳の厚みが増す傾向が認められた。ただし、この時点では全12匹(Tgマウス群5匹、対照群マウス7匹)の解析に留まり、有意差を認めるには至らなかった。一方で、この試験に用いたTgマウスラインでは免疫感作に必須の樹状細胞(DC)、ならびに障害組織を構成する皮膚ケラチノサイト(KC)でのHLA発現量が低いことを示唆するデータも得られたため、ABCによる感作が見えにくい可能性も考えられた。そこで、並行して繁殖を進めていたTgマウスの別ラインについて発現量の確認を行ったところ、このうちの一つでより高発現するラインを見いだすことができた。今後こちらで同様の感作実験を行うことでより反応が明確になると期待される。本研究では、vitro培養系での免疫応答も再現する予定である。Tgマウスより単離培養したDCとKCの共培養系が必要で、培養中もHLAの発現を維持することが必須である。そこで、HLAをより高発現するTgマウスラインより骨髄細胞を単離し、各種液性因子を加えることでin vitroでDCへ分化する系を確立した。この細胞にはDC細胞表面マーカーCD11cの発現誘導が見られ、かつ外来HLAの表面上の発現も認めた。さらにTgマウス新生児よりKCを単離し培養する系も構築した。以上のように、本年度は最終目的を達成するために必要なTgマウスならびにvitroの培養系について順調に整えることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

in vitroの樹状細胞ならびにケラチノサイトの培養系をそれぞれ確立できた。HLAの発現量の高いマウスを見いだすことができた。陰性対照群となるHLA-B5703のトランスジェニックマウスについても同様にHLAを同程度に高発現するマウスを見いだすことができた。研究目的の達成に必要な材料や技術を着実に整えることができた。

今後の研究の推進方策

今後は特に研究に用いるマウスラインについて安定的に維持することに注力する。基本的な計画に変更はない。

次年度使用額が生じた理由

HLA-B5701マウスの複数ラインでのHLA発現量解析に時間を要したため、vivoの感作試験、ならびにvitroの培養試験の一部が後ろ倒しになり未実施である。

次年度使用額の使用計画

HLAを十分量発現するTgマウスラインが5701ならびに5703のいずれについても出揃ったため、当初1年目に実施を予定していたDCとKCの共培養系を用いた毒性評価試験のための試薬や培養器具の購入にこれを使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] キメラ型HLA遺伝子導入マウスを用いた細胞性免疫による特異体質薬物毒性の発現メカニズム解明2015

    • 著者名/発表者名
      藤森 惣大、青木 重樹、向後 晃太郎、劉 聡、関根 秀一、伊藤 晃成
    • 学会等名
      第38回、第88回日本分子生物学会年会、日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] キメラ型HLA遺伝子導入マウスを活用した免疫系の関与する特異体質薬物毒性発症機構の理解2015

    • 著者名/発表者名
      青木 重樹、向後 晃太郎、劉 聡、藤森 惣大、関根 秀一、伊藤 晃成
    • 学会等名
      第42回 日本毒性学会年会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2015-06-29 – 2015-07-01

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公開日: 2017-01-06  

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