HLA多型の関わる特異体質毒性を動物で再現するのは困難である。今回、HLA-B*57:01多型保有者でのアバカビル(ABC)皮疹を再現するため、同多型および陰性対照の*57:03多型を導入したマウスを作製し、皮膚にABC塗布して反応を調べた。その結果、B*57:01マウスでのみABC選択的な反応を認め、別個に両新生児マウスの皮膚細胞を単離してABC曝露した際は、IL-1βなどの炎症性サイトカインがB:57:01マウス由来でのみ誘導されることを確認した。以上、HLA多型の関わる特異体質毒性を動物で初めて再現するとともに、臓器特異的毒性発現にHLA多型依存的な細胞初期応答が関わる可能性を示した。
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