本研究では分子標的薬による皮膚障害の発症機序を解明するためヒト皮膚ケラチノサイト (HaCaT) を用いた検討を行った。細胞生存率は全ての薬物処置によって濃度依存的に減少した。Gefitinib及びerlotinibの処置によりcaspase-3の活性化、リン酸化Aktの抑制が惹起された。一方、sunitinib及びsorafenibではこのような変化は認められなかった。以上より、gefitinib及びerlotinibはAktのリン酸化を抑制し、caspase-3依存的な細胞死を、sunitinib及びsorafenibはcaspase-3非依存的な細胞障害を惹起することが明らかとなった。
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